外国人の観光目的での渡航が可能となり、今までにはなかったコロナ対策に関連する翻訳が必要となる場面に対応することが急務となっています。
この記事では、訪日外国人の観光目的での渡航が可能となるにあたり、ホテルが行うべきコロナ感染対策における翻訳事例を紹介します。
訪日外国人の国内観光が再開
2022年6月10日より、外国人観光客は添乗員付きのパッケージツアーによる観光目的の渡航が可能となりました。
今後さらなる規制緩和が予想され、いずれは以前のように往来が可能になる可能性もあり、国内観光の再開に伴うアフターコロナの日本で求められる対応について、翻訳が必要な場面が多く出てくることが予想されます。
訪日外国人を受け入れるホテルの英語対策
観光目的の訪日外国人の受け入れは久しぶりということもあり、ホテルスタッフの外国語での対応も最近はなかったということはないでしょうか。
また、宿泊先となるホテルには感染対策が求められ、対策としてお客様に協力してほしいことを正しく伝える必要があります。
ここでは
- 感染予防対策
- 宿泊予約
- フロント対応
- 朝食についての説明
- コンシェルジュ
の5つに分けてそれぞれ説明します。
感染予防対策
各国、感染予防対策にもさまざまな違いがあり、日本でのルールを守ったうえで宿泊を楽しんでもらうためにも感染予防対策についての注意書きや協力を求める文章は翻訳して準備しておくべきでしょう。
日本ではまだ検温が必要な場面も多く見られるため、下記のような注意書きや案内が必要となります。
- 新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、入店/入館前に手指のアルコール消毒をお願いしております。
To prevent COVID-19 infections, please sanitize your hands with alcohol disinfectant before entering the shop/restaurant/facility.
下記記事では他にも、マスク着用やソーシャルディスタンス、ビュッフェでの食事の取り方など、さまざまな場面でのフレーズについても紹介しています。
【英語】飲食店・ホテルでの新型コロナウイルス感染予防対策フレーズ!
宿泊予約
2022年6月10日より、観光目的の訪日外国人はパッケージツアー利用の場合にのみ渡航が許可されているため、しばらくの間、急な宿泊予約の電話がかかってくることはないかと思われます。
ただし、すでに予約をいただいているお客様から直接問い合わせが来る可能性はあるため、問い合わせ内容に対し、すぐにお応えできるようにシュミレーションしておく必要があるでしょう。
例えば温泉のある宿泊施設などの場合、すでに宿泊費の支払いが済んでいても入湯税だけは現地で支払う必要がある場合もあるため、このようなフレーズが役に立ちます。
- 「宿泊料金には消費税、サービス料が含まれておりますが、当ホテルには温泉施設がございますため、別途温泉ご利用の入湯税が必要となります。」
The accommodation fee includes sales tax and service charge but because our hotel includes a hot spring facility, there is also a separate bath tax.
その他宿泊の予約に関する問い合わせについての接客英語はこちらも参考にしてください。
フロント対応
ホテルのサービスの善し悪しを大きく左右するのがフロントスタッフの対応です。
チェックインやチェックアウトのとき、宿泊中に困りごとがあったときに期待を上回る対応や、親切な対応をしてもらえるとお客様の満足度もとても高くなります。
ホテルの「顔」でもあるフロントにおける対応についての翻訳例を紹介します。
- 「チェックアウトでいらっしゃいますか?こちらでの滞在はいかがだったでしょうか。」
Would you like to check out? Thank you for staying with us. I hope you enjoyed your stay.
滞在に満足いただけたかを気にかけ、丁寧なサービスをしていることを感じてもらいましょう。
その他フロント対応に関する問い合わせについての接客英語はこちらも参考にしてください。
朝食についての説明
ホテルの朝食はホテルステイの楽しみのひとつでもあります。
ホテルによって朝食の種類もさまざまなため、スムーズに案内できるようにしておきましょう。
- (コンシェルジュ)「ご朝食はビュッフェスタイル、アメリカンブレックファースト、和朝食からお選びいただけます。どれになさいますか?」
You can choose either buffet style, American breakfast or traditional Japanese. Which would you like?
- (宿泊客)「和朝食にします。」
I’d like the traditional Japanese.
- (コンシェルジュ)「かしこまりました。」
Understood.
それぞれの朝食メニューの内容や違いについてはこちらを参考にしてください。
コンシェルジュ(おすすめのお店・観光地を紹介)
旅先の知らない土地で困ったときに頼りにされるのがホテルのコンシェルジュです。おすすめのお店や観光地を聞かれることもあれば、チケットや交通機関などの手配など、またトラブルの解決まで臨機応変な対応が求められます。
その中でも、おすすめのお店や観光スポットを尋ねられることが多いかと思います。会話の中でお客様の希望に寄り添い、理想の提案ができるように接客フレーズの例を見てみましょう。
- (宿泊客)「すみません。ホテルの近くにおすすめのレストランはありますか?」
Excuse me, are there any restaurant that you would recommend near the hotel?
- (コンシェルジュ)「はい、いくつかおすすめのレストランがございます。どのようなお料理が希望でしょうか?」
Yes, there are few restaurants that I would recommend. What kind of food would you like?
- (宿泊客)「日本ならではの和食のレストランに行ってみたいです。」
I want to go to a Japanese-style restaurant.
- (コンシェルジュ)「かしこまりました。お寿司はいかがですか?」
I understand. Would you be interested in trying sushi?
コンシェルジュに必要な英会話フレーズのより詳しい内容はこちらの記事も参考にしてみてください。他にも提案の方法がたくさんあります。
翻訳は翻訳会社へ依頼しよう
感染予防対策へ協力してもらうための掲示物、温泉やスパの掲示物、客室掲示物やレストランメニューなどは多くの観光客への周知が必要となり、また感染予防対策などはルールを的確に守ってもらうためにも、英語だけではなく中国語(繁体字・簡体字)、韓国語にも翻訳することをおすすめします。
Google自動翻訳機能の使用や、社内の外国人スタッフが翻訳することもできるかと思いますが、正しい表現で伝えるためには翻訳会社へ依頼するのがおすすめです。
特に複数言語の翻訳が必要となる場合は、プロの翻訳会社に任せておくと安心です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
訪日外国人の国内観光が再開となると英語はもちろん、その他の言語でも対応が必要な場面も多くなります。
滞在を楽しんでもらい、また、感染予防対策などでも万全の準備をして安心して外国人観光客をお迎えできるように準備を進めておきましょう。
翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。