いらっしゃいませは英語で何て言う?翻訳のプロに聞いてみた

「いらっしゃいませ」は英語で何て言う?

日本を訪れる海外からの観光客は、2016年の統計では約2403万9千人。
過去最高を記録しました(日本政府観光局調べ)。
これまで日本を訪れる際にビザ(査証)が必要だった国に対しても、
緩和措置が取られビザなしで入国できる国の数が拡大。
円安などの要因や、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことで、
日本の食文化に興味をもつ外国人が急増しています。

レストランやカフェでも外国人のお客様のご来店の機会が増え、
英語での接客対応に頭を悩ませていらっしゃるかたも
多いのではないでしょうか?
お客様がご来店された際、まずは「ようこそ、いらっしゃいませ!」と、
歓迎の気持ちを伝えたいですよね。
さて、このフレーズ、英語ではいったい何て言うのでしょう??

実は英語では、日本語の「いらっしゃいませ」を
直訳できる言葉は、厳密にはありません。
日本では「いらっしゃいませ」が、
接客シーンでの決まり文句になっていて、
お客様の方も特にそれに対して返答する必要を感じません。
英語での接客シーンでは、一方的なお声がけという観念はなく、
お店とお客様が言葉のキャッチボールを行って、
コミュニケーションを図ります。
声をかけられたら、返答するのが一般的です。

「May I help you?」は飲食店でも使える?

直訳できる言葉はありませんが、よく耳にする
May I help you?(メイアイヘルプユー)」というフレーズは、
接客の場面で一般的に使える言葉でしょうか?
直訳すると「何かお手伝いしましょうか?」という意味になりますが、
これはどちらかというと、
飲食店以外のショップの接客で使われている言葉です。

商品選びのアドバイスや試着など、
スタッフのヘルプを必要としているお客様もいれば、
ウィンドウショッピングを楽しむかたもいらっしゃいますので
「必要があればお声がけください」という意図を含んでいます。

でも、飲食店を訪れるお客様の目的ははっきりしています。
「何かお手伝いしましょうか?(May I help you?)」というと、
少しまどろっこしい対応になってしまうかも。

「いらっしゃいませ」は丁寧な言葉で!

飲食店で「いらっしゃいませ」に相当する言葉は「Welcome」
「歓迎する」や「喜んで受け入れる」という意味があり、
英語圏ではきちんと接客マナーのトレーニングを行っているお店では、
Welcome」そして
Thank you for coming!(サンキューフォーカミング)
などと続きます。

「Hello!」「Hi!」といった気軽なあいさつの言葉は
カジュアルな印象を与えてしまい、
お客様をお迎えする第一声には不向き。
まずは「Welcome」で歓迎の気持ちを表し、
その後テーブルにご案内してから
「Good morning(グッドモーニング/afternoon(アフタヌーン)/evening)」
とごあいさつしてみましょう。

日本ではお客様を敬い、気持ちの良いサービスを提供する
「おもてなし」を大切にしています。
英語での接客も丁寧な言葉を使った「人と人とのコミュニケーション」を
行うことで、お客様へも誠意が伝わります。
外国人のお客様は、慣れない日本のレストランを訪れることに
不安を感じていたり、緊張されているかもしれません。
親しみを込めて丁寧な言葉を交わすことで、リラックスしていただいて、
お食事を充分に楽しんでいただくための雰囲気づくりも大切ですね。

「この店員できる!」と思わせる接客ワード

Welcome!」でお客様をお迎えしたあとに、もう少しフレーズを追加して
コミュニケーションを取ることができれば、外国人のお客様からも好印象!

たとえば、着席してお食事を楽しむレストランなら
さきほどもご紹介したこのフレーズがおすすめです。
Thank you for coming!(サンキューフォーカミング)

テイクアウトも可能なカジュアルなファーストフード店では
May I take your order?(メイアイテイクユアオーダー)

英語を話そうとする時、つい正しく話さなければ・・・と
身構えてしまって、まったく言葉が出てこない、
なんていうこともよくありますよね。

正しい言葉を使うことも、もちろんおろそかにはできませんが、
まずはあたたかいおもてなしの心を忘れずに
日頃からよく使うフレーズをまるごと暗記してみるのも手。
何度も口に出して使ってみてくださいね。

「WELCOME」に対する回答パターンの例文

お客様をお迎えする第一声は「Welcome」で対応できることがわかりましたが、
次に気になるのがお客様からの反応。「Welcome!」のあとに、
英語で何かを聞かれたりすると、どう答えていいのかわからない!
そんな場面で、あわててしまうことって多々あるのではないでしょうか?

外国人のお客様が「Welcome!」に対してどんな言葉を返してくるのか、
いくつか回答のパターンを考えてみました。

 

予約していませんが、席はありますか?
I don’t have a reservation. Is there a table available?

(スタッフの回答例)
①何名様ですか?
How many people?

②はい、ございます。お席にご案内いたします。
I will show you to your table.

③ただいま満席です。
I’m sorry, there is no table available right now.

④待ち時間は10分です。
The waiting time is approximately 10 minutes.

 

英語のメニューはありますか?
Do you have an English menu?

(スタッフの回答例)
①はい、ございます。
Yes, we have.

②いいえ、ございません。
I’m sorry, we do not.

 

英語が話せる人はいますか?
Is there someone here who can speak English?

(スタッフの回答例)
①はい、1名おります。
Yes, we have one person here who speak English.

②いいえ、おりません。
I’m sorry, there is no one here who speak English.

 

ベジタリアンの料理はありますか?
Do you have vegetarian dishes?
ハラールの料理はありますか?
Do you have halal dishes?

(スタッフの回答例)
①はい、ございます。
Yes, we have.

②いいえ、ございません。
I’m sorry, we do not.

ぜひ参考にしていただいて、実際に活用してみてくださいね。

最後に

当媒体WorldMenuでは、紹介記事の他にも4000語以上の翻訳のメニューや接客フレーズなどを制作してきました。

これらの制作を通じて、外国人観光客の方に選ばれるお店は「英語で的確なメニューが置いてある。」という傾向を発見しました。

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ABOUTこの記事をかいた人

翻訳監修

セス ジャレット:Seth Jarrett

カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。