自社のWebサイトを多言語に翻訳することで海外にアピールし、ビジネスチャンスを拡大する動きは、新型コロナウイルス感染拡大以降、一層広がっています。
今後は減少した顧客回復のための代替案としてではなく、一つのビジネスモデルとして確立することでしょう。
今回は、サイトの多言語化にまつわる課題とその解決方法を解説します。
あわせて企画から管理・運用、課題解決を助けてくれる良質なパートナー選びのポイントも紹介するため、是非参考にしてください。
多言語化が進むコンテンツ
新型コロナウイルスが世界規模で影響を及ぼし、企業と顧客との接点が対面型からオンライン型に大きくシフトしたことが、サイト多言語化の大きな転機となりました。
これまでも、海外展開やインバウンド需要を狙う企業は、自社のカタログやWebサイトの多言語化に熱心に取り組んでいました。
しかし新型コロナウイルス感染拡大以降は、海外ユーザーとのダイレクトな接点である、コーポレートサイトやECサイトの多言語化が進んでいます。
企業の認知や信用を築くコーポレートサイト
企業のWebサイトの多言語化において最優先されるのは、商品購入ページや予約ページでしょう。しかし、コーポレートページの多言語化を忘れてはなりません。
企業情報が翻訳されていない、あるいは翻訳が不自然だと、海外ユーザーが「詐欺サイトではないか?」と疑いを持ち、サービスの利用に繋がらないことが多々あります。
つまり、企業の認知や信用に関わる情報を記載するコーポレートサイトは、翻訳の質が問われます。
コンバージョンにつなげるECサイト
ECサイトは発注、決済、配送までの手続き関連や、情報セキュリティ機能なども多言語で完備する必要があるため、システム設計が複雑で予算もかかります。
購買につなげるためには、海外ユーザーにとってのユーザビリティを高めることが重要です。
また、商品情報やアピール文章が購入の決め手となるため、翻訳の質も高めましょう。
ECサイトの多言語化について詳しく知りたい場合は、ECサイトの翻訳方法や注意点を説明している記事をご参照ください。
多言語化の課題
Webサイトの多言語化は企画から運用・管理まで一連のプロセスがあります。
成果を出すためには、以下の課題をクリアしていくことが大事です。
- 翻訳のクオリティ
- UI/UXのデザイン
- サイトの運用
- SEO対策
翻訳のクオリティ
Google翻訳などの機械翻訳を使用して多言語化したと思われるホームページやECサイトには、誤訳や不自然な文章が見られます。
コスト削減のために機械翻訳を使用したとしても、翻訳のクオリティが低ければ結局はコンバージョンを発生させられないことも。
クオリティの高い翻訳情報は企業の財産だと捉え、言語ネイティブの翻訳者に依頼することがおすすめです。
また、ターゲットとなる国や地域が絞り込めているなら、その地域の言語に強い翻訳者に依頼するとよいでしょう。
UI/UXのデザイン
日本語サイトをGoogle翻訳などで翻訳した場合、誤訳の問題の他に改行の位置がずれたり、画像が消失するなどのレイアウト崩れ問題が発生することがあります。
また、日本で使いやすいとされているUI(ユーザーインターフェイス)やUX(ユーザーエクスペリエンス)が海外ユーザーにとって使いやすいとは限りません。
メディアやツールの好みにも文化差があり、視覚的に美しくわかりやすいと感じるデザインも異なります。
多言語化の際は、現地で好まれるデザインに精通した翻訳会社に依頼することで、海外ユーザーの関心を集めるUIに近づきます。
さらに、UXにも言語や文化による差があります。
例えば、操作性や問い合わせ対応といったサービスの質に関することまで、ターゲットにとってのユーザビリティを重視しましょう。そうすれば、長時間滞在してもらえるサイトになります。
サイトの運用
ECサイトの更新のたびに翻訳発注やレイアウトの調整、多言語ページを同期しているようでは、かえって業務負荷を増やすこととなります。
運用の自動化や一元管理によって、運用負荷を軽減することが重要です。
企画から運用管理まで総合的に対応してくれる制作会社に委託する、あるいは業務範囲を相談しながら委託すると安心です。
運用の一元管理化は、企業の翻訳資産の一元管理にも有効な方法です。
翻訳の際に精選された用語のデータベース化は、多言語サイト運用にとって重要な資産です。
新規翻訳箇所を減らして翻訳コストを抑えたり、表現の統一を図ることで翻訳の質の維持管理が可能になります。
運用コストと売り上げのバランスを考えながら、検討を進めましょう。
SEO対策
SEO(検索エンジン最適化)とは、Googleなどの検索エンジンでサイトを上位表示させる対策の総称です。
海外ユーザー向けにサイトを多言語化する時は、その国で優勢な検索エンジンに適したSEO対策が必要となります。
英語圏や日本ではGoogleが支持されていますが、韓国ではNAVER、ロシア語圏ではYandexと、言語や文化・経済圏によって優勢な検索エンジンが異なります。
また、検索方法も日本語や中国語などの漢字文化圏では単語検索、アルファベット圏では文章検索が一般的です。
ページを多言語化する場合、各国のSEO対策に精通した制作会社の協力を得ることがベストです。
しかし、もし社内で多言語サイトのSEO対策を行う場合は、多言語サイトのSEO対策について詳しく説明している記事をご参照ください。
多言語化の課題解決にはパートナー選びが重要
多言語サイトの開発や運用を行うためには、パートナーの選定が重要です。
パートナー選びで押さえておくべきポイントは、翻訳体制とwebマーケティング面でのサポートがあるかどうかです。
翻訳体制
多言語化に対応できる、あるいは特化した制作会社は増えています。
ただし、低コストの制作会社の場合、翻訳の質が保障されない可能性もあります。ビジネス分野に精通した良質な翻訳者または翻訳システムを採用した制作会社を選びましょう。
特に、ネイティブの翻訳者によるダブルチェックの体制があるかどうかは大事な確認ポイントです。
専門的な分野の商品やサービスを取り扱う企業であれば、その分野の翻訳やSEO対策、マーケティングで実績や評価のある制作会社を選ぶことをおすすめします。
webマーケティング
ゴールは多言語化サイトの完成ではなく、多言語化によって成果を出すことです。
つまり、日本語サイトのみではなし得なかった現地からのコンバージョンを発生させてこその多言語化です。そのため、パートナーとなる制作会社が海外のWebマーケティングに詳しいか、あるいは現地のWeb戦略の代行をしてくれるかどうかも、大きな決め手となります。
また、最近ではSNSや検索エンジンにおいて、リスティング広告が有力な流入経路となっています。こうした最新のWebマーケティング手法にも対応しているかどうかも、制作会社選びのための重要なチェック項目です。
まとめ
今回は多言語化を検討している企業の担当者に向けて、想定される課題と解決方法、解決を助けてくれるパートナー選びの重要性について紹介しました。
サイトの多言語化では、海外ユーザーのユーザビリティにつながる翻訳やデザイン、設計や運用管理が鍵となります。
専門性が高く信頼できるパートナーを選び、海外でのビジネスチャンスを掴みましょう。
サイトの多言語化を依頼するなら、多⾔語翻訳と制作で20年以上の実績があるアイ・ディー・エー株式会社がおすすめです。
翻訳言語のネイティブによる翻訳は、80以上の言語と幅広い専門分野に対応しており、翻訳サービスの品質とプロセス管理の国際規格ISO 17100認証を取得しています。
また、翻訳からウェブサイト/印刷物の制作までを⾃社内で⾏うワンストップ体制なため、短納期と低コストを実現しています。
多言語翻訳/多言語ドキュメント制作/多言語ウェブサイト制作
翻訳ソリューション/Author-it / Madcap
動画・YouTube翻訳サービス/インバウンド対策支援
翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。