UI翻訳とは?課題と注意点、翻訳時のポイントを徹底解説

UI翻訳とは?課題と注意点、翻訳時のポイントを徹底解説

企業が翻訳したいものには、ウェブサイトや社内外の文書など、さまざまなものがあります。

その中でもニーズが高く、かつ特殊な作業工程が必要となるのが「UI翻訳」です。
UIが変わると、ウェブサイトの使い勝手が大きく変わるため、UIは製品そのものといえるほど大切な役割を果たします。

本稿では適切なUI翻訳をするためのポイントを解説します。

UI翻訳とは?

UI翻訳とは?

そもそも、UIとは何か、なぜUI翻訳が重要なのかについて説明します。

UIとは?

UIとはUser Interface(ユーザーインターフェイス)の略で、アプリケーションやウェブサイトなど、何かを操作する際の対象と利用者をつなぐもののことを指します。

ウェブサイトの中でいうとウェブページの見た目や使いやすさのことを指します。

例えば、ウェブサイトを閲覧しようと思った際に押すブラウザのボタンや、商品を購入する際に押す購入ボタンなどが挙げられます。

これらの配置やデザイン、内容がわかりやすければ、ウェブサイト閲覧や商品購入につながりやすくなる点で、UIは重要です。

UI翻訳の重要性

UI翻訳がなぜ重要なのかというと、顧客や利用者を逃さないようにするためです。
先ほど述べたようにUIは対象と利用者をつなぐもののことを指します。

読めない言語で書かれているページでは、利用者が必要な情報に辿り着けず、閲覧を辞めてしまったり、購入を諦めてしまうことが起こります。
読めないウェブサイトは使いづらく、本来ならば得られた顧客を逃してしまう可能性があります。

UI翻訳の課題

UI翻訳の課題

UI翻訳には一般的な翻訳に比べて特殊な部分が多く、以下のようにさまざまな課題があります。

  • アプリケーションやウェブサイト内でのUIのテキストとの整合性を確保するのが難しい
  • レイアウトに合わせて翻訳をすることが難しい
  • 実際どの部分に反映されるUIなのかがわかりづらい

また翻訳時に翻訳会社とのやりとりや、問い合わせが多くなる傾向もあり、翻訳までに手間がかかります。

UI翻訳時の注意点

UI翻訳時の注意点

UI翻訳をおこなう際には下記の3点に注意が必要です。

  • 文字数
  • 文脈がない
  • ファイル形式

それぞれについて説明します。

文字数

一般的なドキュメントの翻訳であれば、文章で説明を入れることができるため、多少長くなったとしても大きな問題にはなりません。

一方でUI翻訳では、翻訳対象が画面やメニュー画面であることが多く、長い文章での翻訳ができません。

制限された文字数の中で翻訳ができなければ翻訳の意味がなくなってしまうため、工夫した翻訳や訳文を実装した後に調整をする必要が出てくる可能性が高くなります。

また、英語ではシングルバイト、日本語ではダブルバイトが使われるため、使える文字数が異なることがあります。
事前に利用可能な最大の文字数を確認してから翻訳をする必要があります。

文脈がない

通常のドキュメントの翻訳では文脈があるため、翻訳をする際に前後の文がヒントとなり、適切な翻訳を導き出せることが多くありますが、UIには文脈がありません。

複数の意味がある単語などを翻訳する場合には、どういった意味で使われているのか、動詞なのか、名詞なのかなど、想像するのが難しくなります。
翻訳をおこなう際には参考となる資料を準備しておくことや、翻訳者と依頼者の間での翻訳内容の詳細なすり合わせが大切です。

ファイル形式

一般的なドキュメントの翻訳をおこなう場合にはテキストファイルを翻訳しますが、UI翻訳の場合にはドキュメント翻訳とは異なり、さまざまなファイル形式があります。

例として以下のような拡張子があります。

  • .txt : テキスト形式ファイル
  • .resorce : リソースファイル
  • .rc : リソースファイル
  • .xls/xlsx : エクセルに抽出されたファイル

ファイルによってはそのまま開いて作業をおこなえない場合もあるため、開けない場合には翻訳支援ツールなどを使用する必要があります。

UI翻訳のポイント

UI翻訳のポイント

UI翻訳はシステム開発に伴って頻繁に新たな翻訳が必要となる特殊な構造をしています。
そのため、一度翻訳したら完了ではなく、長期間のメンテナンスを続ける必要があります。

UI翻訳をする際に重要となるポイントについて説明します。

用語集・翻訳メモリを活用

用語集と翻訳メモリを準備することはUI翻訳のみではなく、どのような翻訳においても重要なため、準備しておくに越したことはありません。

特にUI翻訳ではシステム開発が発生する度に、コンスタントに翻訳が発生するという特徴があります。
そのため、既存訳や過去訳を何度も翻訳せずに済むように用語集や翻訳メモリを作成しておくことを強くおすすめします。

用語集や翻訳メモリが充実していくと、作業効率があがり、訳ブレも生じにくくなるため、全体のコストが少なくなります。

また、UI翻訳で訳ブレが生じる理由に以下のようなものがあります。

  • 過去に担当した翻訳者ではない別の翻訳者に変わる
  • プロジェクトが大きいために複数の翻訳者がいる

上記のような場合でも、用語集や翻訳メモリが担当者同士で共有されていれば、訳ブレが起こるリスクも少なくなります。

ヘルプ文章作成

ヘルプ文章の作成をおこなう際の大きな問題点は、多くの場合ヘルプ文章の中にUIが含まれているということです。

UI翻訳の作業を進めると同時にヘルプ文章の翻訳まで同時進行すると、ヘルプ文章の中でUIの文脈が判明し、UIとヘルプ文章両方の修正が必要となる無限ループに陥ってしまいます。

修正の無限ループに陥らないよう、ヘルプ文章翻訳とUI翻訳の両方が必要な場合には先にUI翻訳を完全に決定してからヘルプ文章の翻訳に移るのが好ましいでしょう。

そのため、UI決定の時期や、修正の方法やタイミングは事前によくすり合わせておくことが必要です。

まとめ

UI翻訳は特殊な翻訳であるがゆえに、注意点や課題が一般のドキュメント翻訳とは異なります。

UI翻訳では翻訳文字に制限があり、伝わる翻訳にすることが難しいことや、文脈がわからないため事前に担当者同士で翻訳に間違いが生じないようによく擦り合わせておくことが必要です。

また、UI変更の度に翻訳のメンテナンスが必要となる点から、プロの翻訳会社に依頼することをおすすめします。

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