海外向けに製品やサービスを広める際に必要となるのが「ローカライズ」です。
ローカライズは度々、翻訳と混同されることがありますが、ローカライズをおこなう際のひとつの手段に翻訳が含まれているという認識が正しいでしょう。
この記事ではローカライズと翻訳の違いについて、またローカライズの重要性や実際にローカライズをおこなう際の注意点について説明します。
ローカライズ(ローカリゼーション)とは?

ローカライズ(ローカリゼーション)とは日本語で「地域化」という意味にあたります。
ある国や地域を対象に作られたものを、他の国や地域のバージョンとして言語などを対応させることを指します。
翻訳との違い
翻訳とローカライズは一緒だと思われることが多いですが、翻訳は「言語のみを訳す作業」です。つまり、一字一句忠実に訳すのがよいとされています。
一方、ローカライズはその国や地域の文化や習慣、宗教的な背景、法律や流行まですべてを考慮に入れたうえで文章の内容に反映します。
トランスクリエーションとの違い
コピーライティングは商品やサービスを買ってもらうために消費者の行動変容を起こすような魅力的な文章を作成することです。
この宣伝用の文章をその国や地域の文化や風習に合わせて作り直すことを「翻訳(translate)」と「創造(creation)」を組み合わせた造語で「トランスクリエーション(transcreation)」)といいます。
通常のローカライズとは異なり、トランスクリエーションにはブランディングなどの知識も必要となるため、より高いスキルが求められます。
対象
ビジネスを海外に展開したい場合、ローカライズの作業対象となるものは以下の3つ。
- スマホアプリやゲーム
- UIの翻訳
- Webサイト
スマホアプリやゲームはダウンロード数を伸ばすことが重要になるため、App storeやGoogle Playでのアピール文が利用者の言語にローカライズされていることが好ましいでしょう。
UI(ユーザーインターフェイス)の翻訳については、操作ボタンなど、実際にユーザーが操作する部分の翻訳となるため、とても重要な部分です。
UIが外国語のままだったり、不自然な訳し方をされていると購買やアクセスの妨げになる可能性も多くなります。
Webサイトの翻訳についても、実際興味があってアクセスしたページが自分の普段使っている言語に対応していなかったり、翻訳されているが表現が通じないなどの問題があれば、顧客の離脱につながります。
また、Webサイトのローカライズにおいては、検索エンジン最適化(SEO)対策ができていることや、表示スピード、サーバーなど、複合的なチェック項目を網羅できていることが必要です。
ローカライズ(ローカリゼーション)の重要性

ローカライズが重要な理由としては、ローカライズさせたい国や地域の市場に浸透し、ビジネスを広げるためです。
国ごとに言語や文化の違いがあります。
例えば海外の製品を購入したり、サービスを受けようと思い、興味のあるWebサイトに行き着いたとします。そのWebサイトがローカライズされていなかった場合には、母国語でない言語で製品説明やサービス説明を解読しなければなりません。
ここで多くの顧客が離脱してしまいます。
また、バナーやWebサイトのデザインについても、ローカライズされていれば、その国でより好まれるデザインや配色などに設定されていることがあります。
ローカライズされていない、普段あまり見ないような海外版のデザインや配色などを見た場合には少し違和感を感じるかもしれません。
上記のように違和感や読みにくさから離脱してしまう顧客を減らし、より現地に浸透するビジネスを作るためにはローカライズが必要不可欠です。
ローカライズ(ローカリゼーション)の注意点

実際にローカライズを行う際の注意点は以下の3つ。
- 翻訳対象国の文化や宗教、法律、トレンドを考慮する
- ターゲットを絞る
- 多言語SEO対策を行う
翻訳対象国の文化や宗教、法律、トレンドを考慮する
ローカライズを行う際には翻訳対象国の文化や宗教、法律、トレンドを考慮し、わかりやすく、自然な文章に仕上げることが重要です。
例えば比喩表現を使う際には翻訳するだけでなく、現地で同様に使われている表現に変更する必要があります。
ターゲットを絞る
上記で説明した通り、対象国の文化的背景やトレンドなどに合わせてローカライズを行うことは大切ですが、その中でも製品やサービスを利用してほしいと思う人にターゲットを絞り込むことも重要となります。
同じ国の中でも、性別、年代、興味が違えば記載すべき内容は大きく変わります。
多言語SEO対策をおこなう
WebサイトのSEO対策はマーケティングの手段として、製品やサービスを広げていくために重要な役割を果たします。
各国、調べられるキーワードは異なるため、ローカライズしたい国や地域ごとにキーワード選定をし、現地のターゲット層が検索しそうなキーワードを用いてSEO対策に取り組むことでアクセス数を伸ばすことができます。
ローカライズ(ローカリゼーション)は翻訳会社に依頼しよう

これまで説明してきた通り、ローカライズには翻訳対象となる国や地域のことを深く理解しておく必要があります。
正しく翻訳をされていても、ターゲット層に響く内容でないとローカライズの効果は最大限に発揮されないため、翻訳後も調整などが必要となります。
現地のネイティブが社内にいて、宗教、法律、トレンドまで網羅しているという人がいれば対応をおこなうこともできるかもしれませんが、案件の量が多くなると少人数で対応することは難しいでしょう。
ローカライズも対応できる翻訳会社に依頼すれば、しっかりヒアリングを行ったうえで現地の社会情勢や法律、文化に則ったローカライズ対応が可能です。
大量の案件でも高品質なローカライズ対応ができるため、ローカライズは翻訳会社に依頼することをおすすめします。
まとめ
ここまでローカライズの重要性と注意点について説明してきました。
ビジネスを海外に展開する際には、必要不可欠となるローカライズが現地のターゲット層に刺さるかどうかでビジネスに大きく差が出てきます。
プロである翻訳会社に任せることで、より効果的なローカライズをおこなうこともできるため、検討してみてください。
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翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。