とっさの時に役立つホテルの接客英語フレーズ集
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近年、インバウンド需要の増加や在住外国人の増加などにより、日本に滞在する外国人が急増しています。
このように多様な文化的背景や、異なる言語体系をもつ人々が共存する環境において、災害時の対策・対応は重要です。
日本に滞在する外国人(観光客)が安心して生活し、観光などを楽しむためには、災害時の適切な対応・対策や情報提供が欠かせません。
本記事では、外国人向けの災害時対応策のひとつとして「ホテルの接客英語」を中心に紹介しています。
「ホテルの接客時」以外においても、活用できる英語フレーズも掲載しているため、さまざまな業種・場面でご参考にしていただけるでしょう。
日本の災害時「何に注意したらいいかわからない」
日本で災害が起きた時、「何に注意したらいいかわからない」と困る外国人(観光客)も少なくありません。
日本災害:最近の事例
災害大国とも呼ばれる日本では、近年だけでも主に以下のような災害が起きています。
水害
- 2020年7月:集中豪雨(熊本県を中心に九州や中部地方など)
- 2021年8月:集中豪雨(全国各地)
地震
- 2021年2月:福島県沖地震(震源:福島県沖、震度:6弱以上)
- 2022年3月:福島県沖地震(震源:福島県沖、最大震度:6強)
- 2024年1月:能登半島地震(震央:石川県能登半島、最大震度:7)
日本人と外国人の災害に対する感覚の違い
日本では頻繁に地震が起こり、小さな揺れには比較的慣れていますが、海外では地震がほとんど発生しない地域もあり、地震をまったく経験したことがないという外国人にとっては、災害についての知識や対処法など、わからない場合がほとんどです。
日本の災害時に外国人が困ること
実際に災害が起きた時、以下のように困っている外国人(観光客)も少なくありません。
- 「情報が少なく、何に注意したらいいかわからない」
- 「災害情報アプリを入れてみたものの、欲しい情報が見当たらなかった」
- 「外国人向けにもっと情報を発信してほしい」
- 「慣れない地震が起きたときとても恐怖だった」
- 「周囲の人に状況を尋ねても教えてもらえなかった」
上記のように、外国人(観光客)向けの災害対応・対策において、まだまだ課題はたくさんあることが現状であり、災害が発生した場合、適切な避難誘導や安全確保、英語でのアナウンスができる環境を整えておくことは必須といえます。
災害時の外国人対応における課題・対応策
現代の日本において、災害時における外国人対応は非常に重要なものとなっていますが、「言語の壁」などさまざまな課題が存在します。そのような課題に対する、主な対応策について紹介します。
課題
災害時における外国人対応の主な課題は以下の3つです。
- 言語の壁
言葉の壁は、迅速なコミュニケーションや情報伝達が求められる災害時に、大きな障壁となります。
必要な情報や避難指示が母国語で提供されない場合(日本語がわからない場合)、混乱を招いてしまうでしょう。
- 文化的背景の違い
文化的背景の違いは、災害時において大きな影響を与える場合があります。
例えば、多くの日本人は「避難訓練」などにより、緊急時における対応について基本的な知識が備わっていますが、「避難訓練」を受けたことがない外国人の場合、災害が起きた際、どのような行動をとるべきか、わからないことも多いです。
また、母国で「避難訓練」を受けていたとしても、避難行動に対する考え方が違う場合もあるでしょう。
- 情報の充実度
災害時の情報提供は非常に重要な要素のひとつですが、外国人に対する情報提供(環境)が不十分な場合もあるでしょう。
必要な情報が適切に届くよう、情報の充実度を整備する必要があります。
対応策
上記の課題に対する主な対応策は以下の3つです。
- 多言語対応
災害時に、外国人が迅速かつ適切な行動をとることができるよう、緊急時のアナウンスや避難指示は、通訳や翻訳体制の整備が必要となります。
具体的には、災害時の音声アナウンスや行動マニュアルを多言語で準備するなどです。
- 情報の整備
災害時に必要な情報を、外国人が理解しやすい形で提供できる環境を整えます。
具体的には、災害時の行動マニュアルや避難経路、緊急連絡先などを多言語で整備し、ウェブサイトやアプリを通じてアクセスできるようにします。
- 緊急時の訓練等
突然起こる災害に備えて、外国人に対する緊急時の訓練等を定期的に実施することも重要です。
さまざまな人の協力が必要となるため、なかなか難しいかもしれませんが、地域イベントの一環としておこなうなど、災害時の行動を学ぶ機会を提供することも大切です。
このような訓練を通じ、災害時における外国人の安全・安心を確保しつつ、地域全体の防災力を向上させます。
ホテルでの災害発生時、外国人向け対応は大丈夫ですか?

地震や台風など、日本を襲う自然災害は決して少なくありません。
外国からの観光客が増え、インバウンド需要が高まっている現在、
日本のホテルや飲食店を訪れる外国人も急増しています。
外国人のお客様がご宿泊時に、もし災害が発生したら・・・?!
そんな時に役立つのが、災害時の外国人向けアナウンスの英語フレーズ集。
緊急を告げる例文を知っておくと、いざという時に落ち着いて行動できます。
翻訳のプロが教えるホテルの危機管理英語のフレーズを見てみましょう。
とっさの時に役立つホテルの接客英語フレーズ集(災害時)
緊急時は冷静を保つことが難しいですが、適切な行動をとれるよう、「とっさの時に」に役立つ英語フレーズを紹介します。
- 落ち着いてください。
Please do not panic.
- 安心してください。
Please remain calm.
- 心配はいりません。
There is no cause for alarm.
- ここは危険です。
This location is not safe.
- 我々の指示に従ってください。
Please follow all provided instructions.
- その場から動かないでください。
Please stay where you are.
- 体調の悪い方はいらっしゃいませんか。
Is anyone feeling unwell?
- 外出を控え、屋内に留まってください。
Please do not go outside. Remain indoors.
- 必要なものがある方はお知らせください。
Please notify the staff if you are in need of anything.
地震発生時、ホテルでの注意喚起英語フレーズ
地震に慣れていない外国人は特に「何が起きているのか」わからず、恐怖を感じやすいです。
地震発生時における注意喚起の英語フレーズを紹介します。
グラっと揺れを感じたら・・・?
- 地震が発生しました。
An earthquake has been reported.
- 我々は災害に備えた訓練や演習をうけています。
The staff regularly perform disaster drills.
- 姿勢を低くし、頭を守り、動かないでください。
Please stay low, protect your head, and remain where you are.
- この建物には十分な耐震性があります。
This building is designed to withstand strong earthquakes.
地震の揺れがおさまった時の対応
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- お怪我をされた方はいらっしゃいませんか。
Has anyone sustained any injuries?
- エレベーターは使用できません。
The elevators are currently out of service.
- 地震は1度だけでなく、複数回発生することがあります。
Expect aftershocks.
停電・断水などトラブル発生時の告知
- 電気は使用出来ません。
The building does not currently have electricity.
- 水道は使用できません。
The building does not currently have water.
- トイレは使用できません。
The toilets are currently out of service.
- 災害リスクが高まっています。
There is a high risk of a major disaster.
緊急避難が必要な場合のアナウンス

- ______に避難して下さい。
Please evacuate to ______________.
- 非常口を使用してください。
Use the emergency exits.
- ______に触れないでください。
Please do not touch ____________.
火災発生時、ホテルでの注意喚起英語フレーズ
地震と同じく火事発生時も、適切な情報提供・アナウンスが必要となります。
- 火災が発生しました。
A fire has been reported.
- 姿勢を低くし、ハンカチなどで口と鼻を覆ってください。
Stay low and cover your mouth and nose with a handkerchief or towel.
公共交通機関への影響を英語で伝えるフレーズ
公共交通機関を利用する外国人(観光客)は特に、「どういう状況なのか」情報を知りたいため、現在の状況を伝えられると親切です。
- 公共交通機関は使用出来ません。
Public transportation is not currently available.
- 復旧次第、お知らせいたします。
We will inform you as soon as operations are restored.
災害時対策に必要な翻訳はプロに任せよう
災害時の外国人対応において「多言語対応」は必要不可欠であり、災害時に必要な情報を、迅速かつ適切に伝えられる準備が大切です。
誤った情報を届けてしまわないためにも、災害時対策に必要な翻訳作業はプロの翻訳会社を活用しましょう。
まとめ
地震や災害が発生した場合は、火事などの二次災害を防ぐために、ホテルレストランのガスの元栓や電気のスイッチをオフにしましょう。
日頃から非常口のまわりに荷物などの物を置かないなど、避難経路を把握しておき、お客様を安全に避難誘導できるように従業員の間で情報共有や避難シミュレーションをしておくことが大切です。また、万が一に備えて、外国人のお客様が身を寄せられる避難場所への地図なども用意しておくと安心です。
災害時は、外国人のお客様のみならず、すべてのお客様の安全確保のために、平常時から準備しておきましょう。

翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。
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