訪日外国人の観光目的での旅行が再開し、しばらく外国人観光客が少なくなっていた日本国内の飲食店にもまた活気が戻ってくることが期待できます。
実際にお客様が来られたときに、外国語のメニューがないなどと困らないよう事前に準備ができていると安心です。
この記事では訪日外国人に向けて飲食店が行うべき対策と、飲食店ならではのフレーズ集を紹介します。
訪日外国人の国内観光が再開
2022年6月10日から、外国人観光客の入国が再開となりました。当面は水際対策で青色とされる98か国からの訪日外国人が対象で、旅行代理店などが受け入れ責任者となっているパッケージツアーであることを条件に、検疫所での検査などをしなくても入国が可能となっています。
今後対象者なども徐々に緩和されていくと予想されており、2年ぶりに外食業界に活気が戻ってくることになるでしょう。
訪日外国人に対して飲食店が対策すべきこと
2年間も観光客向けにおける対応をしていなかったこともあり、多くの飲食店ではメニューが変わっていたり、ニューノーマルに合わせた注文のシステムができていたりと、コロナ前とは異なる対応が必要となるのではないでしょうか。
ここでは訪日外国人への対策として、
- メニューの翻訳
- 注文・食べ方の説明
- 会計の説明
について紹介します。
メニューの翻訳
高級フレンチのお店に行ったときに、メニュー名を読んでも内容が全く分からず注文してみたら、思っていた料理とは全く違うものが出てきた、なんていった経験はないでしょうか。
訪日外国人にとっても、料理名を見てもどのような料理かわからないことが多いです。例えば「鉄火巻」。Google翻訳で直訳すると「Iron fire roll」となって、熱くて硬い何かが入っているのかと勘違いされてしまいます。
メニューの翻訳をおこなうときには、直訳せず、あえてローマ字表記「Tekkamaki」にしておき、内容の説明を加える方が好ましいでしょう。また、イメージがつきやすいようにするため、写真をつけておくとコミュニケーションもスムーズです。
翻訳をおこなう際には英語だけでなく、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語にも翻訳しておくことをおすすめします。
料理名の英語翻訳に関しては下記記事でも詳しく説明しています。
【飲食店】外国人観光客の満足度アップ!料理名を英語翻訳するコツ
注文・食べ方の説明
各国の文化によって異なる注文や食べ方。日本には配膳の順序のある料理やお通し、時価などが存在します。
有料のお通しがあることを知らない観光客だとお会計のときにトラブルに発展することもあります。
事前にトラブルを防ぐためにも、メニューなどに説明書きがあると安心です。また、お通しを出すタイミングでこのような一言を添えるのもよいでしょう。
- お通しです。こちらは有料となります。
This is your appetizer. There is a charge for this.
また、食べ方についても尋ねられることがあるかと思います。
調理方法などのフレーズを知っていればお客様の疑問にもすぐに答えられます。
例えば、「天ぷらってどんな食べ物ですか?」と聞かれた場合
- 天ぷらはシーフードや野菜にころもをつけて油で揚げたものです。
Tempura is seafood or vegetables covered in batter and fried in oil.
このように答えることができます。
その他、役立つフレーズなどもあるので以下の記事も参考にしてください。
外国人の接客に役立つ飲食店の英語。料理の説明に役立つフレーズ
会計の説明
キャッシュレスは日本でも広まりを見せていますが、まだ現金のみしか使えないお店もあります。
下記のフレーズは支払い方法を確認されたときに役に立つので覚えておくと便利です。
- お支払いは現金でお願いします。
We only accept cash.
- クレジットカードが使えます。
We accept credit cards.
- クレジットカードは使えません。
We do not accept credit cards.
クレジットカードの利用可否や、利用できるクレジットカードの種類は店頭に掲示しておきましょう。
店頭に利用できるカードの情報があることで、クレジットカードを利用したいお客様が入店するきっかけになり、お店を選んでもらいやすくなります。
支払いの方法もテーブルで支払いを済ませる場合や、レジでお会計をおこなう場合などお店によって異なります。わかりやすいように説明しておくか、メニューなどに説明書きがある方が親切です。
また、メニューが税抜き表示の場合にはお会計時に消費税が必要になることが説明されているとトラブルにならずに済みます。
テーブルチャージやサービス料の説明も事前にメニューなどに記載しておくか説明しておく方が好ましいでしょう。
下記の記事にも役立つフレーズが載っているので参考にしてみてください。
【訪日外国人対策】飲食店の注意点
訪日外国人に対応するにあたり、飲食店ではどのようなことを注意すればよいでしょうか。
ここでは
- メニューの写真を店頭に飾る
- 食事制限への配慮
- 食べ物・飲み物の好みを考慮
以上3点について説明します。
メニューの写真を店頭に飾る
ふらっと立ち寄った先で飲食店を決めるとき、お店でどんなものが食べられるのかを見てから決めたいという人がほとんどだと思います。
店先でメニューの写真が見ることができれば、メニューの写真がないお店よりも入店しやすくなります。
ぜひメニューの写真は店頭に飾っておきましょう。
食事制限への配慮
日本でも最近はビーガンやハラール対応のお店もちらほら見かけるようになりましたが、まだまだ少ないのが現状です。
宗教上の都合で食事に制限がある人や、ビーガンメニューしか摂取しない人もいるため、メニューに食品リストを載せておくと安心して注文してもらえるでしょう。
下記の表は各宗教徒とベジタリアンが食べないものを示しています。
宗教が違うと食べないものも大きく異なるため、間違えて提供しないように気を付けましょう。
引用:https://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/attach/index-5_Part4.pdf
食べ物・飲み物の好みを考慮
国が違えば、食べ物や飲み物の好みも大きく異なります。
下記の表のような調査もあり、少し知っていれば親切な対応ができるものもあります。
全ての国の食文化に対応することは難しいかもしれませんが、例えば中国人のお客様には「温かいお茶をお持ちしましょうか」と声をかけてみたりすると喜ばれるかもしれません。
また、パンのお代わりが有料の場合は事前に伝えておく方が好ましいでしょう。
引用:https://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/attach/index-5_Part4.pdf
ワールドメニューではメニューの翻訳から、紙媒体でのメニューの作成、スマホ対応のオンラインメニューの作成が可能です。
さらにワールドメニューが運営する、外国語メニューのあるお店を掲載している外国人向けのポータルサイトへの掲載ができるため、外国語メニューのあるお店を探す観光客に見つけてもらいやすくなるメリットもあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
訪日外国人の観光が再開するにあたり、飲食店が行うべき対策について説明しました。
約2年ぶりの外国人観光客を迎えるにあたり、一度お店の外国語対応やメニューの記載を見直してみることをおすすめします。
翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。