インバウンド需要の増加や、外国人が利用しやすいタクシー配車アプリの普及により、タクシー業界においてもドライバーに英語力が必要となる場面が増えてきています。
今回は、タクシードライバーに必要な英語力や、インバウンドで成功するための否決について解説します。
タクシーおよび配車アプリの需要が増えている

コロナ禍の影響もあり、タクシーの利用者は年々減少傾向であったものの、「配車アプリ」の普及により、タクシーの需要およびアプリ活用者は年々増加傾向にあります。
配車アプリのメリット
配車アプリには以下のようなメリットがあります。
配車アプリのメリット
- スマホひとつでタクシーを呼べる
- 事前に明確な走行距離や料金を確認できる
- 配車までにかかるタイムロスが少ない
従来、タクシーを利用する際は、場所によって「タクシーを拾えない」など、「来るか来ないか分からないタクシーを待つ」といった問題や、車庫や最寄りの停留所から配車した場合、「到着までに時間がかかる」などの問題を抱えていました。
しかし、配車アプリを活用することで、身近にいるドライバー(タクシー)を検知・配車できるため、効率的にタクシーを利用することができ、また、スマホで目的地を登録した場合に明確な距離と料金が確定するため、「最終的に料金がいくらになるか分からない」といった利用者の不安要素の解消にもつながります。
さらに、事前決済の場合、料金未払いトラブルなども防げるため、ドライバーにとっても利用者とのトラブルリスクを軽減できるメリットがあります。
外国人観光客がタクシーを使うメリット

また、近年インバウンド需要が復活してきていることもあり、外国人観光客がタクシーを利用する機会も増えています。
外国人観光客がタクシーを利用する際、以下のメリットがあります。
外国人観光客がタクシーを利用するメリット
- 道に迷わない
- 複雑な電車に乗らなくて良い
- 決済がスムーズ
- (多言語アプリの場合)言葉の壁がない
外国人観光客が日本を訪れた際、異国の地で「目的地までの行き方がわからない」「道に迷う」などの問題を抱える場面も少なくありません。
また、東京など都会の路線は非常に複雑であるため、「電車の乗り換えが複雑でよくわからない」など、乗り換えに苦戦する人も多いでしょう。
このように、配車アプリは、道や乗り換えに苦戦する外国人観光客にとって非常に画期的であり、目的地までスムーズにたどり着くために欠かせないものになりつつあります。
また、多言語に対応しているアプリであれば、言葉による弊害もなく、複雑な料金システムによる決済もスムーズにおこなえるメリットもあります。
タクシードライバーに英語力は必要?

外国人観光客(インバウンド)からの需要も高いタクシー業界ですが、タクシードライバーに英語力は必要なのでしょうか。
タクシードライバーに必要な英語力について解説します。
英語を話せるドライバーも多い
先述したように、外国人観光客からの利用も多くなったタクシー業界では、英語を話せるドライバーも多くいます。
企業によっては、「外国語対応」を強みにしている企業もあり、英語での予約対応受付を実施している場合もあります。
また、英会話スクールに関連した業界では、タクシードライバーの英会話に特化したクラスやタクシー業界向け英語研修を実施している企業も多く、タクシー業界における英語の必要性の高さが伺えます。
英語が話せるドライバーの活躍場所
英語が話せるタクシードライバーは、通常の街道だけでなく、外国人観光客が多く集まる空港周辺や観光名所を巡る「観光タクシー」においても活躍しています。
特に外国人観光客が多く集まる主要都市などでは、より英語による観光ガイドもできるバイリンガルドライバーが重宝されるといえるでしょう。
タクシードライバーの接客英語フレーズ

タクシードライバーが身につけておくべき英語フレーズを紹介します。
タクシードライバーの接客英語フレーズ
タクシードライバーの基本的な接客英語を紹介します。
- どうぞ、ご乗車ください。
Go ahead and get in.
- お荷物をトランクに乗せましょうか?
Shall I put your bags in the trunk?
- ドアを閉めます。
I’ll close the door.
- どちらまで行かれますか?
Where would you like to go?
- 〇〇(目的地)で、よろしいでしょうか?
You’re going to [〇〇]?
- 〇〇(目的地)の住所を教えていただけますか?
Can you tell me the address for [〇〇]?
- シートベルトをお締めください。
Please fasten your seatbelt.
- こちらです。(到着しました)
Here you are. (We’ve arrived.)
- どちらで降りられますか。
Where would you like to get out?
- 料金は〇〇円です。
Your fare is [〇〇] yen.
- 深夜割増料金がかかります。
The late-night increased rate will apply.
- お支払い方法はどうなさいますか?
How would you like to pay?
- ご乗車いただきありがとうございました。
Thank you for riding with us.
- 忘れ物はありませんか。
Have you gotten all your belongings?
- 良い1日(/旅)を。
Have a good day (/trip).
外国人観光客がタクシーを利用する際に使う英語フレーズ
外国人観光客が何を求めているのかスムーズに理解するためには、利用者が使う英語フレーズもおさえておくことが大切です。
- 乗車できますか?
Is this taxi available?
- 荷物をトランクに入れてもらえますか?
Could you put my bags in the trunk?
- ◯◯(目的地)まで、お願いします。
- ◯◯(目的地)まで、どれくらい(時間が)かかりますか?
How long is it to [◯◯]?
- 次の信号を左に曲がってください。
Please turn left at the next light.
- ここで停めてください。
Please stop here.
外国人観光客との会話で使える英語フレーズ
基本的な接客フレーズのほかにも、乗車中の会話で使えるフレーズもおさえておくと、利用者(観光客)の緊張もほぐれるでしょう。
- どちらのご出身ですか?
Where are you from?
- 日本へ来るのは初めてですか?
Is this your first time in Japan?
- 観光ですか?
Are you sightseeing?
- 日本で何を楽しみにしていますか?/何が楽しかったですか?
What are you looking forward to in Japan? / What have you enjoyed about Japan so far?
タクシー会社が行うべきインバウンド対策

インバウンドにおけるタクシーの需要は高く、多くの企業で「タクシー×インバウンド」の成功事例が増えつつあります。
タクシー業界におけるインバウンド事例や対策について紹介します。
タクシー業界のインバウンド事例
タクシー業界では、各タクシー会社が以下のようなインバウンド対策(取り組み)を行っています。
タクシー業界のインバウンド事例
- ドライバーによる英語対応
- 観光情報の提供
- フリーWi-Fiサービス(車内にWi-Fiルーターを設置)
- 決済方法の柔軟化
- 快適な車内スペース(バンタイプの車両)
- 英語(多言語)による予約対応
- ライドシェア会社(Uberなど)との提携
- 英語以外の言語にも精通しているドライバーの採用
ドライバーによる英語対応のほか、「フリーWi-Fiサービス」や「観光情報の提供」なども、外国人観光客にとって重宝される対応となるでしょう。
また近年、バンタイプの車両も増えてきており、ゆったりとしたスペースで過ごせることも人気のおもてなしのひとつです。
さらに、英語だけでなく中国語や韓国語など、さまざまな言語に対応できる体制を整えておくと、より外国人観光客が安心して利用できるタクシー(会社)となるでしょう。
タクシー業界が行うべきインバウンド対策・取り組み
タクシー業界におけるインバウンドに力を入れたい場合、以下のような対策や取り組みを行うと良いでしょう。
タクシー業界のインバウンド対策
- ドライバーの語学力向上
- 観光情報の提供
- 車両やWi-Fiなどの整備
- 決済方法の整備
タクシー×インバウンド対策は翻訳会社を活用しよう

タクシー業界におけるインバウンド対策を行うにあたり、「多言語サイト対応」や「多言語による観光ガイド」など、翻訳が必要となる作業もあるでしょう。
正しい翻訳による多言語サイトの構築や観光ガイドの作成は、外国人観光客に安心感や信頼感を与えるだけでなく、その土地の地方活性化にも貢献できます。
タクシー業界におけるインバウンド対策の実施は、翻訳会社のネイティブによるプロの翻訳を活用しましょう。
まとめ
インバウンド需要の回復や配車アプリの普及により、タクシーの需要は年々高まっています。
タクシーは、国内利用者だけでなく、外国人観光客も利用する機会が多い移動手段であるため、インバウンドにおいても高い需要が期待できます。
適切なインバウンド対策を行い、「タクシー×インバウンド」を成功させましょう。

翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。