財務関係のシステムなど、企業の中では多くのシステムが利用される時代となりました。
システムの中には海外メーカーによって開発されたものも含まれており、今後システム自体を翻訳をしたいと考えている担当者の方もいるのではないでしょうか。
本稿ではシステム翻訳をおこなう際の重要なポイントとおすすめの翻訳会社について説明します。
システム翻訳とは?
現在、日本企業の中では財務会計システムや顧客管理システムなど、多くのシステムが利用されています。
このようなITシステムの中には海外メーカーが開発したものを日本向けにローカライズされたものもあり、ローカライズの際には翻訳作業が必要となります。
ITシステムの翻訳をする場合には、システム自体の翻訳はもちろん、操作マニュアル(ガイドやヘルプ文章と呼ばれるもの)も翻訳をおこなう必要があります。
システム翻訳のポイント
システム翻訳をおこなう場合のポイントは下記の4点が挙げられます。
- 表記と表現の統一
- 用語の統一
- UI翻訳
- 翻訳メモリの活用
それぞれのポイントについて詳しく見てみましょう。
表記と表現の統一
ITシステムの操作方法のマニュアルは一貫した構成を持っていることがほとんどです。
工程によって章を分け、章はアクションごとにセクションに分けられ、さらに細かい操作手順の説明があるというような流れ。
構成に上記のような秩序があるため、類似した表記や表現、形式が繰り返されることが多くなります。
そこで日本語に訳した際の文章に表記や表現のぶれが生じると、読みやすさが損なわれるだけでなく、製品への信頼性も失いかねません。
表記・表現のぶれが生じないようにするためには、全体の表現を明確に定めた「スタイルガイド」の利用が必要です。
スタイルガイドには文字表記に関するルール(使用可能な文字、記号、送り仮名など)と、表現に関するルール(訳調など)の両方を定めることが可能です。
また、必要に応じて部分ごとの詳細なルール(章タイトルは体言止め、セクションでは常体など)も定められます。
用語の統一
システムでは専門的な用語が繰り返し使われることがあり、翻訳を一貫したものに仕上げるためにはその用語と訳語をまとめた「用語集」が必須となります。
翻訳においては一般的な用語とその定義についてまとめた用語集とは違い、用語とその訳語がまとめられている「対訳用語集」が必要なため注意しましょう。
もちろん、システムそのものをしっかり理解して、正しい翻訳にするためには定義についても記載している方が好ましいでしょう。
納期などに余裕がある場合には訳語と定義について両方の記載がある用語集を準備できるとより正確な翻訳が可能となります。
UI翻訳
システムの翻訳をおこなう際に、実際の表示画面との整合性が取れているかはとても重要です。
システム画面を操作するうえで、ボタンの表示名や入力欄については必ずマニュアル内で言及され、目印にもなる重要な部分です。
翻訳する際に実際のシステム画面上とマニュアル内での整合性が取れていなければ操作マニュアルは意味を成さなくなってしまいます。
UIがどのように翻訳されているかを示すUI対訳集は必ず用意し、マニュアルを翻訳する際にはUI部分が必ず一致するように気を付けましょう。
万が一、未翻訳のUIがマニュアル内で見つかった場合などは翻訳を新たに作り出すことはできません。
必ずお客様に確認を取って、正しいUI翻訳を反映させる必要があります。
翻訳メモリの活用
翻訳メモリとは、翻訳した文章をデータベース化したもので、過去に翻訳した文を呼び出して再利用することができます。
翻訳メモリを活用すれば、過去に訳した文は翻訳する手間が省けるため、下記のメリットがあります。
- 複数の翻訳担当者がいても表記や翻訳にぶれが生じにくい
- 専門用語のチェックが少なく済む
- 翻訳コストの削減、納期短縮が可能
今後システムに変更が生じた場合のことを考えると、翻訳メモリを活用するメリットは大きいでしょう。
システム翻訳の注意点
システム翻訳をおこなう際の注意点は以下の3点。
- 文字数が限られている
- 文脈がない
- ファイル形式がさまざまである
文字数が限られており長い説明を入れることはできないため、端的でわかりやすい訳文に仕上げましょう。
また、文脈がなく、前後の文脈での判断が難しいため、翻訳する際には上述にあるようなスタイルガイド、用語集、UI対訳集、翻訳メモリなど、参考となる資料をしっかり準備し、翻訳者と依頼者間で情報を擦り合わせておく必要があります。
さらに、ファイル形式がさまざまであるため、テキストファイルのみでなくそのほかの拡張子にも対応する必要があるでしょう。
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まとめ
今回は、システム翻訳をおこなうときのポイントと注意点について説明しました。
システム翻訳を正しくおこなうためには必要となる資料(スタイルガイド、用語集、UI対訳集、翻訳メモリなど)を十分に準備しておくことが大切です。
また、実績があり、信頼できる翻訳会社に依頼し、翻訳者と内容をよくすり合わせながら翻訳をおこなうことをおすすめします。
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翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。