飛躍的に普及が進むオンラインマニュアル。ユーザーにとって利便性が高いだけでなく、企業にとってもマニュアル作成の工数を削減できるため、注目を集めています。
また、グローバルにサービスや商品を展開する企業にとってはオンラインマニュアルの多言語化は欠かせません。
今回は、オンラインマニュアルのメリットとデメリットはもちろん、おすすめのフォーマットの種類や導入方法も紹介しています。
オンラインマニュアルとは?

オンラインマニュアルとは、電子版の取扱説明書のことを指します。
取扱説明書といえば、従来は紙媒体がベースでした。しかし、近年はオンラインマニュアルの利便性の高さから急激に普及しています。
ゲームやテレビのマニュアルをはじめ、ビジネスシーンでも広く使われていることから新時代のマニュアルのベーシックになる可能性が非常に高いといえます。
普及の背景
2012年に発表された、消費生活用製品の取扱説明書に関する指針「ISO/IEC Guide37:2012」(WTO加盟国が遵守するべきガイドライン)により、WEB媒体で取扱説明書を提供することが認められ、オンラインマニュアルが普及し始めました。
2020年以降は新型コロナウイルスの影響もあり、取扱説明書やマニュアルのオンライン化が飛躍的に進みました。
グローバル企業における必要性
グローバル企業においては、多言語対応しやすいオンラインマニュアルは必要不可欠です。海外に製品やサービスを展開する場合は、マニュアルを多言語翻訳する必要があります。
紙媒体のマニュアルの場合は、DTPオペレーションから冊子を作成するまでの工程に加えて、多言語への翻訳が必要となるため運用コストが高くなります。
一方で、オンラインマニュアルの場合は、CMS( Content Management System)を使用すれば多言語への翻訳・運用が容易になり、運用コストを抑えられるでしょう。
オンラインマニュアルのメリット・デメリット

オンラインマニュアルのメリットとデメリットを客観的に紹介していきます。利便性の高さからメリットの方が多く感じられますが、運用の際はしっかりとデメリットも参考にしてください。
メリット
<ユーザーのメリット>
- どんな場所でも確認できる
- 紙媒体のように場所を取らない
- 検索機能がある
<企業側のメリット>
- 紙資源の節約
- アクセス解析がかけられる
- ページ数に制限がない
- 常に最新版にできる
- 多言語に対応しやすい
オンラインマニュアルを導入することで発生するメリットは上記の通りとなります。ユーザー目線では、使っていくうえで場所を選ばず、使いやすいというのがポイントです。
逆に企業目線では、物理的・人的コストを削減できるのが大きなメリットといえます。企業の規定や説明書の内容が変わった場合も、速やかにアップデートできるので、ユーザーとのコミュニケーションエラーが発生しないことが強みです。
デメリット
- 電源やWEB環境の確保が必要
- CMSは導入にコストがかかる
- 情報を管理する上での心配がある
紙媒体とは異なり、マニュアルを確認するためにデバイスやWEB環境が必要であることはネックでしょう。
また、CMSの導入には初期コストがかかります。ただし、使えば使うほど運用コストは下がるため、導入時にさえ注意すれば問題ないでしょう。
さらに、オンラインマニュアルの強みでもあり弱みでもあるのが、共有のしやすさです。簡単にコピーしたり、スクリーンショットできることにより情報を管理する上での心配もあります。セキュリティ面では紙媒体よりも気を配る必要があります。
オンラインマニュアルの種類

オンラインマニュアルと一口に言っても、さまざまな種類が存在します。それぞれ強みと弱みが存在することから、運用するシーンと照らし合わせながら型式を選択することがおすすめです。
HTML
HTML型式は、オンラインマニュアルで一般的な形式です。本記事で紹介している「オンラインマニュアル」も、HTML型式を想定しています。
HTML型式の強みは、キーワード検索やカテゴリ分けができることです。
視覚的に見やすいマニュアルに工夫できるでしょう。
また、離脱箇所などユーザーの行動を分析できることも特徴です。分析を行えば、よりユーザーニーズに近い、使いやすいマニュアルを作成できるようになるでしょう。
PDF型式のオンラインマニュアルは、セキュリティが高いことがポイントです。
具体的には、コピーや印刷の可不可を設定できるため、例えば社内マニュアルなど社外に内容を漏洩したくない場合に役立ちます。
また、目次やリンク挿入も可能です。
電子書籍、動画
電子書籍でのオンラインマニュアルは、名前の通り基本的には電子版の書籍に近いイメージで、検索機能や画像でのソート機能も備わっています。
動画マニュアルの場合は自分で文章を読む必要がなく、視覚的に取扱説明書を理解することができることが特徴です。
オンラインマニュアル制作にはCMSが欠かせない

オンラインマニュアルにおいて、CMSの重要性は非常に高いです。
CMSを導入すれば、今までマニュアル作成に必要だったDTPオペレーションなどの工数を削減できます。
具体的には、CMSシステムを設計する際にテンプレートを決め、自動レイアウトを行うことで細かな作業工数を削減できる仕組みです。
多言語化する言語が多くなればなるほど、作業効率の良さを実感できるでしょう。
CMS導入をアイ・ディー・エー株式会社がサポート

多⾔語翻訳と制作で20年以上の実績のあるアイ・ディー・エー株式会社では、CMS導入のサポートを行っています。
CMSはオンラインマニュアル作成を内製化するために必須であると言えますが、導入の際は使い方に悩むこともあるでしょう。
アイ・ディー・エー株式会社では、使用用途に合わせたCMSの運用方法を提案することはもちろん、CMS運用に関するコンサルティングや製品トレーニングなどのサポートも行います。
もちろん、社内でマニュアルを翻訳することが難しい場合は、アイ・ディー・エー株式会社に翻訳をご依頼いただくことも可能です。
まとめ
今回はオンラインマニュアのメリットとデメリットから、おすすめの種類や導入方法まで解説しました。
特にグローバル企業においては、オンラインマニュアルと、それを作成・翻訳するためのCMSが重要です。
オンラインマニュアル作成・CMS導入を検討されている方は、ぜひ豊富な翻訳・制作ノウハウを持つアイ・ディー・エー株式会社にご相談ください。
翻訳言語のネイティブによる翻訳は、80以上の言語と幅広い専門分野に対応しており、翻訳サービスの品質とプロセス管理の国際規格ISO 17100認証を取得しています。
また、翻訳からウェブサイト/印刷物の制作までを⾃社内で⾏うワンストップ体制のため、短納期と低コストを実現しています。
多言語翻訳/多言語ドキュメント制作/多言語ウェブサイト制作
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翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。