社内の外国人労働者に対する研修をおこなう際に、どのような内容にすべきか悩んでいる担当者様も多いのではないでしょうか。
日本で働く外国人労働者数は令和3年に過去最高に達しており、日本の少子高齢化社会のなかで外国人労働者の数は増え続けると予想されています。
外国人労働者が日本の企業で働くうえで問題となる点は、語学力の不足によるコミュニケーションの行き違いや、文化的背景の違いによる誤解などが挙げられます。
外国人労働者に対する研修や教育をおこなうことで、問題解決ができるよう、研修の方法について紹介します。
外国人労働者に対する研修・教育の重要性
外国人労働者に対する研修や教育は、そもそも何のために実施するのかという目的をはっきりさせておく必要があります。
外国人労働者向けの研修の意義について説明します。
企業理念や基本的マナーを身につける
日本では「常識」とされていることでも、外国では「常識」ではないことが多々あります。
常識やマナー関連で問題が起こる場合は、当人がマナー違反であることがわかっていないことがあるため、マナーや文化の違いを企業側と外国人労働者側がしっかりすり合わせすることが必要です。
お互いに文化の違いに理解ができていれば、基本的なマナーなどでトラブルが起こることは軽減されるでしょう。
コミュニケーションを円滑にする
外国人労働者が日本企業で働くうえで最も問題視されることのなかに、「日本語が話せないこと」が挙げられます。
言葉が伝わらないことはコミュニケーションを取るうえで大きな障壁です。
研修のなかで日本人社員とも相互にコミュニケーションを取る場を作ることによって、信頼関係が高まっていけばコミュニケーションも取りやすくなり、モチベーションの向上にもつながっていくでしょう。
モチベーションと生産性向上につなげる
日本語が理解できないと、仕事の内容が把握しづらいことや、職場への馴染みにくさから、モチベーションの維持が難しくなります。
社内研修や教育で日本人社員と関わる場や、丁寧な研修の場が設けられていれば、日本語を勉強する機会にもなり、モチベーション維持につながります。
また、研修でコミュニケーションを取れる場を設けることは外国人労働者だけでなく、日本人社員のモチベーションも高め、両者にとって生産性の向上につながります。
外国人労働者の研修・教育内容の例
外国人労働者の研修や教育の内容の一例とその効果を見てみましょう。
企業理解に関する研修
まず初めに企業の理念や組織について理解してもらい、企業として達成したい理想の姿を共有しましょう。
理想の姿に近づくために、外国人労働者の仕事がどのように役立っているかを説明することでモチベーションの向上につながります。
ビジネスマナー研修
基本的なビジネスマナーや、日本のマナーについて学ぶ研修を取り入れましょう。
外国人労働者が母国ではあたりまえにしていても問題がなかったことが、日本ではマナー違反となる場合もあります。
「マナーを知らなかったから取引先とトラブルになってしまった」ということは避けるようにしましょう。
作業内容に関する研修
実際の作業内容となるマニュアル作成や、実際の仕事現場でおこなうOJT研修を通して、日本で働くことへの不安を軽減することができます。
ぜひ、研修の最後は実際の現場が見られるような研修にして、外国人労働者からの質問にもしっかり答えられるように準備しておきましょう。
外国人労働者の研修・教育における課題
外国人労働者におこなうべき研修内容を見てきましたが、研修を実施するうえでの課題についても確認しておきましょう。
日本語能力およびコミュニケーション力に不安がある
日本にやってくる外国人労働者のなかには日本語があまり流暢ではない方や、コミュニケーションを取るのが苦手だと感じている方が多くいらっしゃいます。
研修が日本語だと完全には理解ができない場合があるため、外国人労働者の理解できる言語に翻訳したもので研修を実施する必要があります。
母国語であればより安心して研修を進められるでしょう。
研修・教育を実施する人員不足
研修をおこなうには時間と労力が必要です。
通常業務をしている合間に研修をおこなったり、研修マニュアル作成に手間暇をかけたりと、担当者にかかる負荷は重いものです。
また、研修自体も毎回対人でおこなうことは難しいという課題があります。
課題を解決するためには
上記で説明した、外国人労働者の研修・教育における課題を解決するためにはどのような方法があるか紹介します。
翻訳動画による研修資料を作成する
対人での研修に人員と時間が取れなくても研修が行えるように、翻訳動画を研修資料として作成する方法があります。
各国の外国人労働者に対し、それぞれの母国語で研修をおこなうことは現実的ではありません。
このため、研修は日本語での実施が主となりますが、外国人労働者が日本語を完璧に習得するためには膨大な時間がかかるため、翻訳した動画を研修資料として準備しておくのがよいでしょう。
研修を受ける側と研修をおこなう側の両者にとって負担が少なくなります。
研修に必要な資料や動画は翻訳会社へ依頼しよう!
研修に必要な動画作成も、一度作ってしまってからは手間がかからないものの、最初の作成に時間や手間がかかります。
AIの翻訳機能などを利用すると簡単に動画にナレーションを入れることもできます。
しかし、精度があまり高くないこともあるため、精度の良いものを作成するためには翻訳会社を利用する方がおすすめです。
多少費用はかかりますが、間違ったニュアンスで研修生に情報を伝えてしまうよりは、最初から正しく伝えられる動画を作成しておく方がよいでしょう。
一度作った動画マニュアルは大きく変更がない限り、長い期間利用することができるため、コストパフォーマンスは高くなります。
また、翻訳会社であればネイティブによるチェックも依頼できるため、「研修用の動画を作ってみたけれど、うまく伝わらなかったために作り直さなければならない」ということが起こらないことが魅力です。
まとめ
外国人労働者の問題を解決する研修や教育の方法について紹介しました。
翻訳された動画マニュアルを一度用意しておくと、研修にかかる手間や人件費も抑えられ、メリットが多いためおすすめです。
翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。