【インバウンド対策】外国人観光客に向けた食品表示を準備しよう

インバウンド事業が復活しはじめ、多くの外国人観光客がコロナ禍前のように訪日する姿がみられるようになりました。

インバウンドにかかわりのある事業は多くありますが、中でも旅の醍醐味でもある「日本の食」を提供する飲食店や、「旅の記念品」を取り扱う土産店などでは、さまざまなインバウンド対策を実施、検討しているのではないでしょうか。

特に飲食店や、お菓子などの食品を取り扱う土産店では、アレルギー表示など、食品表示法により義務付けられている原材料の表示等の英語による表示も、外国人観光客をもてなすうえで必要な対応といえるでしょう。

この記事では、外国人観光客に向けた食品表示について解説します。

外国人観光客向けの食品表示の重要性

日本の食を外国人観光客にも安心して楽しんでもらえるよう、食品表示の英語(多言語)対応は重要です。

日本における重要な食品表示

日本の食品表示法では主に、以下の3つの表示が重要とされています。

アレルギー表示

日本のアレルギー表示では、表示が義務である「特定原材料」(7品目)と、表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」(21品目)に分けられています。

【参考】アレルギー表示について|消費者庁

期限表示

期限表示では「賞味期限」や「消費期限」を表示します。

特に、外国人観光客の目に直接触れるお菓子などを販売する土産店では、適切に期限表示をおこない、期限について聞かれた際は対応できるようにしておきましょう。

また、外国人観光客に人気のある和菓子などは当日中が期限である場合も多いため、適切に伝わるように準備・対応しておくことが大切です。

栄養成分表示

栄養成分表示とは、「熱量(カロリー)」や「たんぱく質」「脂質」などの表示のことです。

以下の項目の表示が義務付けられています。

  • 熱量(カロリー)
  • たんぱく質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • ナトリウム

【参考】栄養成分表示について|消費者庁

食品表示の準備不足によるリスク

インバウンド対応としての食品表示を適切におこなっていない場合、さまざまなリスクが生じます。

特に、アレルギーに関する情報を誤って伝えてしまうと、さまざまな健康被害を招いてしまうため、アレルギーに関する情報を伝える際は十分に注意しましょう。

また、アレルギーのほかにも宗教上の理由で食べられない場合もあります。

さまざまな宗教や文化があることを念頭に、使用している食材について問われた場合は速やかに対応できるように準備しておきましょう。

食品(アレルゲン)表示の英語表記

食品表示の中でも特に注意が必要となるアレルギーの英語表記を紹介します。

特定原材料7品目

表示が義務である「特定原材料7品目」の英語表記は以下のとおりです。

日本語 英語
えび Shrimp
かに Crab
小麦 Wheat
そば Buckwheat
Egg
Milk
落花生 Peanut

 

特定原材料に準じるもの21品目

表示が推奨されている「特定原材料に準じるもの21品目」の英語表記は以下のとおりです。

日本語 英語
アーモンド Almond
あわび Abalone
いか Squid
いくら Salmon roe
オレンジ Orange
カシューナッツ Cashew nut
キウイフルーツ Kiwi fruit
牛肉 Beef
くるみ Walnut
ごま Sesame
さけ Salmon
さば Mackerel
大豆 Soybean
鶏肉 Chicken
バナナ Banana
豚肉 Pork
まつたけ Matsutake mushroom
もも Peach
やまいも Wild yam
りんご Apple
ゼラチン Gelatin

 

飲食店・土産店が覚えておきたい原材料・アレルゲンに関するフレーズ

食品を取り扱う飲食店や土産店が、外国人観光客に対応できるように覚えておきたい英会話フレーズを紹介します。

飲食店・土産店側の英会話フレーズ

  • アレルギーなど食べられない食材はありますか?

Do you have any allergies or are there any foods you can’t eat?

  • この料理は〇〇(食材)を含んでいます/いません

This dish contains / does not contain [〇〇].

  • 〇〇(食材)の代わりに△△(食材)でお作りしてよろしいでしょうか。

Shall we make it with [△△] instead of [〇〇]?

  • この商品の賞味期限(/消費期限)は〇〇までです。

The best-by date (/expiration date) for this product is [〇〇].

  • 本日中にお召し上がりください。

Please eat this product today.

外国人観光客側の英会話フレーズ

  • 私は〇〇(食材)のアレルギーをもっています。

I’m allergic to [〇〇].

  • この料理は〇〇(食材)を使用していますか?

Does this dish contain any [〇〇]?

  • 〇〇(食材)が食べられないため、他の食材に変えてください。

I can’t eat [〇〇]. Can I have it made with something else instead?

  • この商品に〇〇(食材)は含まれていますか?

Does this product contain any [〇〇]?

  • この商品の賞味期限(/消費期限)はいつまでですか?

What is the best-by date (/expiration date) for this product?

飲食店・土産店がおこなうべき食品表示対策

外国人旅行客にとって、初めて見る日本の食べ物は何が使用されているのか分からないため、不安に思う人も多くいます。

安全に日本の食を楽しんでもらうためにも、食品を取り扱う飲食店や土産店は、インバウンド対策の一環として食品表示対策をおこないましょう。

アレルギーや宗教上の問題など、食品に関して慎重に注意している人は、自ら食品について問う人が多いでしょう。

口頭で対応できることも大切ですが、全従業員に対して語学研修をおこなうことはなかなか難しいものです。

また、口頭での対応はコミュニケーション能力不足による誤情報を伝えてしまう恐れもあるため、特にアレルギー情報などを伝える際は注意が必要です。

そのようなリスクを回避するためには、メニューに沿った食品表示リストを作成しておくなど目に見える表示方法を活用することで、誤情報を伝えてしまうリスクを回避できるだけでなく、従業員ひとりひとりが言語を習得する必要もなくなります。

より食品情報を伝えやすくするためには、ピクトグラムやアレルギーチェックカードの活用なども有効的です。

食品表示の翻訳は翻訳会社に任せよう!

食品表示の翻訳は、アレルギーや宗教上の問題など、外国人観光客の健康や文化を守るために重要な対応といえます。

食品表示の翻訳物を作成する際は、間違った情報を伝えてしまわないためにも、ネイティブのプロによる翻訳会社の活用がおすすめです。

まとめ

私たちが海外にいって現地ではじめてみる食べ物に対し「何が使われているのだろう?」と疑問を抱くように、訪日する外国人観光客も同じように疑問を抱いています。

安心して日本の食を楽しんでもらえるよう、アレルギーなど食品表示の対策を適切におこないましょう。