外国人観光客向けの美術館・博物館マナー対策とは

近年の日本ではインバウンド需要の影響もあり、外国人観光客が増加しており、有名な観光地だけでなく、美術館や博物館に足を運ぶ人々も多くいます。

多くの外国人観光客に日本の美術や文化、歴史などについて知ってもらえることは良いことですが、美術館や博物館では「鑑賞マナー」について注意しなければならない場合もあるでしょう。

この記事では、外国人観光客向けの美術館・博物館マナー対策について紹介します。

美術館・博物館の基本マナー

外国人観光客向けのマナー対策に触れる前に、まずは美術館・博物館の基本的なマナーについておさらいをしましょう。

静かに鑑賞する

作品を鑑賞する際は、ほかの来館者に迷惑がかからぬよう、大声での会話などは避け、静かに鑑賞します。

また、スマートフォンなど、音が鳴る可能性のあるものについては「電源をOFFにする」など、配慮が必要です。

作品(展示物)に触れない

基本的に「作品(展示物)には触れてはならない」とされており、注意書きやアナウンスによって注意喚起されています。

写真撮影のルールを守る

展示内容や作品(展示物)によって写真撮影が可能な場合もありますが、「撮影禁止」とされている作品(展示物)に対してはルールを守り、また、撮影可能である場合においても「フラッシュの使用」は避け、写真撮影のルールを守る必要があります。

外国人観光客によるマナー違反の主な例・原因

外国人観光客によるマナー違反の主な例・原因は次の通りです。

マナー違反の例

主なマナー違反の例

  • 大声での会話や通話
  • 作品(展示物)に触れる
  • 無断撮影やフラッシュ撮影
  • 館内(展示室内)における飲食
  • 大きな荷物(キャリーケースなど)の持ち込み

など

マナー違反の原因

上記のようなマナー違反が起きてしまう主な原因は以下の通りです。

  • 文化的背景の違いや言葉の壁

それぞれの国には、さまざまな文化や習慣があります。そのため、国(人)によっては「展示物に触れることや撮影は当たり前だと思っている」「展示室内における会話は問題ないと思っている」場合もあるかもしれません。

このように、国が変わると「当たり前だと思っている」ことが「マナー違反」となることもあります。

その土地を訪れる際に「国(場所)におけるマナー」について、心掛けることがもちろん大切ではありますが、そのような意識が低く、無意識のうちにマナー違反となる行動を取ってしまっている場合もあるでしょう。

また、言葉の壁についても影響は大きく、マナーについて「注意書き」などがしてある場合であっても、十分に伝わりきれていない場合もあります。

  • マナーに関する掲示や説明の不十分

マナーに関する提示や説明は、理解され、適切に伝わっていなければ意味がありません。

マナーやルール説明が曖昧であったり、不十分であったりする場合、マナー違反につながってしまう場合もあります。

鑑賞マナー対策で重要なポイント

鑑賞マナー対策をおこなう際は、「異文化への理解・配慮」や「ほかの鑑賞者への配慮」が重要なポイントとなります。

異文化への理解・配慮

前述したように、それぞれの外国人観光客が異なる文化的背景などをもっています。

鑑賞マナー対策を実施する際は、異文化への理解・配慮したうえで、日本の鑑賞マナーを尊重できるようにサポートします。

ほかの鑑賞者への配慮

鑑賞マナー対策では、作品(展示物)の安全な保護はもちろん、ほかの鑑賞者への配慮も重要です。

すべての人が不快にならず、気持ちよく鑑賞できるような環境づくりを心がけましょう。

外国人観光客の鑑賞マナー対策例

外国人観光客の鑑賞マナー対策として、以下のような例が挙げられます。

鑑賞マナーの多言語化

鑑賞マナーの多言語化は必須事項であり、パンフレットや掲示物、アナウンスなど、さまざまな手段(ツール)を通してマナー喚起しましょう。

音声ガイドやQRコード等の活用

鑑賞マナー対策では、さまざまな言語に対応した音声ガイドやQRコード等の活用も有効的です。

「作品(展示物)紹介が始まる前にマナーについて説明する」「展示室に入る前にQRコードを読み取ってもらい、コンテンツを表示させる」など、状況や用途に合わせて活用しましょう。

ロッカーやクロークの活用

外国人観光客の中には、キャリーケースなど大きな荷物を抱えている人も多くいます。

展示室にそのような大きな荷物を持ち込まれた場合、作品(展示物)に触れたり、混雑時の場合ほかの鑑賞者に接触してしまったりする可能性もあるため、大きな荷物を抱えている人に対しては、ロッカーやクロークを使用してもらうよう促しましょう。

外国人観光客向けの鑑賞マナー対策は翻訳会社に任せよう

外国人観光客向けの鑑賞マナー対策において「多言語対応」は必須であり、翻訳作業は欠かせません。

鑑賞マナーについて適切な意思疎通が取れていない場合、トラブル等につながる可能性もあるため、鑑賞マナー対策にかかわる翻訳作業は、プロのネイティブによる翻訳が安心です。

外国人観光客向けの鑑賞マナー対策を実施する際は、翻訳会社を活用しましょう。

まとめ

今後も日本における外国人観光客は、インバウンド需要の影響により、ますます増加傾向にあるとみられています。

すべての観光客・鑑賞者が快適に鑑賞できるよう、「多言語対応」されたマナーガイドなどを活用し、適切に鑑賞マナー対策をおこないましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

翻訳監修

セス ジャレット:Seth Jarrett

カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。