今では海外のものを見たり聞いたりするときに簡単に使えるようになった翻訳機能。
「Google翻訳が欠かせない!」なんて方も多いのではないでしょうか。
「機械翻訳」と一口に言ってもいくつかの種類に分かれています。
この記事では3種類の機械翻訳について説明し、翻訳精度を高める方法をお伝えします。
機械翻訳とは?

まずは機械翻訳を行う際に気になる精度と、自動翻訳・コンピューター支援翻訳との違いを確認しましょう。
機械翻訳の精度
「機械翻訳」とは、人の手を介さずにコンピュータ―によってある言語を別の言語に変換することです。
ここ数年で精度も良くなったといわれていますが、それでも自然な言い回しにならないことが多く、正確な翻訳を行うのであればその言語に精通している人による最終チェックが必要となります。
自動翻訳との違い
「機械翻訳」と混同されて使われることがある「自動翻訳」。
ほぼ同じ意味で使われていると思いますが、どちらかというと、「機械翻訳」は技術よりの用語で、「自動翻訳」は一般向けの用語の印象です。
昨今の「自動音声翻訳」の機械は「ポケトーク」などに代表されるように、多くの言語に自動で対応できるうえ、双方向へのコミュニケーションが可能となっています。
コンピューター支援翻訳との違い
「機械翻訳」と「コンピューター支援翻訳」にも違いがあります。
「機械翻訳」が人の手を加えず、コンピューターだけで翻訳をする仕組みである一方、「コンピュータ―支援翻訳」はあくまで人の手による翻訳です。
人の翻訳の生産性をあげるために翻訳作業の効率化を支援する「コンピューター支援翻訳ツール」を使いつつ、人の手で翻訳する方法です。
内容が複雑であったり、翻訳の量が膨大な場合に役立つのが「コンピューター支援翻訳」といえます。
支援ツールにデータベースが組み込まれており、対訳データを蓄積しておけば、過去のデータから文章に適した翻訳を提案してくれるため、支援ツールの提案を受けつつ効率的にスピード感のある翻訳ができるという仕組みです。
機械翻訳の種類

機械翻訳は3種類に分かれています。
ここではそれぞれの種類について簡単に説明します。
- ルールベース型(RMT)
- 統計ベース型(SMT)
- ニューラルネットワーク型(NMT)
ルールベース型(RMT)
一般的にイメージされる「機械翻訳」はルールベース型です。
文の構造を機械的に解釈して、それぞれのパーツを訳し、翻訳する言語の文法に当てはめて並び変えるという仕組みです。
統計ベース型(SMT)
統計ベース型はインターネットの普及により原文と訳文の両方を同時に収集することが簡単にできるようになったため発展した方式です。
先ほど説明したルールベース型のコーパスが単語ベースで区切られていたのに対し、文章レベルの「対訳コーパス(パラレルコーパス)」をデータベースとして使い、統計モデルから原文に対してより正しい翻訳である確率の高い表現が選択され、訳文を生成します。
ニューラルネットワーク型(NMT)
ニュートラルネットワーク型では人間の脳神経細胞であるニューロンとそのつながりに似た人工ニューロンを数式的なモデルで表現した「ニュートラルネットワーク」を利用します。
ニューラルネットワークの仕組みを翻訳に応用することで、ルールベース型や統計ベース型では対応出来なかった複雑な表現にも精度の高い翻訳を生成することが可能になりました。。
ニュートラルネットワーク型が出現したことにより、機械翻訳の精度は飛躍的に向上しており、今では機械翻訳の主流の方式となっています。
ニュートラルネットワーク型の機械翻訳についてより詳しく知りたい方は、翻訳精度や課題点について説明している記事をご覧ください。
ベストな翻訳は「ハイブリッド型」

ニュートラルネットワーク型の発展により、機械翻訳の精度が飛躍的に向上したとはいえ、専門分野の特殊な単語はうまく反映されなかったり、自然な言い回しにならないこともあります。
また、訳語の不統一や訳抜け、誤訳が発生することもあり、機械翻訳に完全に任せることはまだ難しいのが現実です。
機械翻訳の翻訳速度、低コストというメリットを最大限に活用し、翻訳会社の質の高さをハイブリッドすることが今後翻訳を成長させるカギだと考えています。
機械翻訳と翻訳会社の「ハイブリット型」にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
翻訳精度向上
機械翻訳を使用して翻訳したあと、機械翻訳ではカバーできなかった箇所をネイティブ翻訳者がチェック・翻訳します。
そうすることで、違和感なく自然な文章で原文のままの情報を正確に翻訳できます。
コストダウン
ハイブリットにすることで1から人力で翻訳をする手間を省けます。
重要性の低い部分は機械での翻訳、厳密な翻訳が必要な部分は人力での翻訳に分けることで、翻訳にかかるコストが抑えられるというメリットがあります。
翻訳資産の蓄積
頻繁に使う専門用語や固有名詞を用語集として、また一度翻訳した文章は翻訳メモリとして蓄積・管理すれば、「翻訳資産」となります。
用語・スタイルを統一することができるうえ、再度同じ用語や同じ文章を一から翻訳をする必要がないため、コストの削減にもなるでしょう。
ハイブリッド型翻訳はidaにお任せ
idaでは機械翻訳の大きなメリットである翻訳スピードと低コストを維持しながら、必要部分のみ翻訳会社の品質を組み込むハイブリット型を提供することができます。
また、翻訳したデータを資産として管理し、カタログやマニュアル、WEBページなどの製作も一貫して行えます。
翻訳資産が蓄積すると翻訳精度がより一層向上するだけでなく、部分的な改定などにも対応できます。
必要な部分にのみ費用を使うことができるためコストを抑えられるでしょう。
翻訳技術が認められたプロの翻訳者による高品質な翻訳を提供するため、機械翻訳だけでは成し得ない適切な翻訳が可能です。
まとめ
今回は機械翻訳の3つの種類と、翻訳精度を高めるための方法についてお伝えしました。
ビジネスに関わるような大切な翻訳に関しては機械翻訳だけでは心許ないのが現実です。
より正確な翻訳が必要な場合には翻訳会社に依頼することをおすすめします。
翻訳を依頼するなら、多⾔語翻訳と制作で20年以上の実績があるアイ・ディー・エー株式会社がおすすめです。
翻訳言語のネイティブによる翻訳は、80以上の言語と幅広い専門分野に対応しており、翻訳サービスの品質とプロセス管理の国際規格ISO 17100認証を取得しています。
また、翻訳からウェブサイト/印刷物の制作までを⾃社内で⾏うワンストップ体制のため、短納期と低コストを実現しています。
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翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。