海外にECサイトを広めていこうと考えているなら、多言語対応は必須です。
私たちが海外のECサイトを見るように、海外ユーザーも日本のECサイトを見ています。
しかし「言葉の壁」は消えません。欲しい商品があるにも関わらず、日本語対応のみだと、海外の人は商品を購入したり情報を得ることに壁を感じます。
この問題を解決するために「ECサイトの多言語対応化」が必要です。
ECサイトの多言語対応とは

「多言語対応させる」とは、外国語に翻訳したテキストを表示させることです。
サイト画面の上下に、表示する言語を選択できるプルダウンなどを見たことがあるでしょう。この機能が「多言語対応」です。
多言語対応ECサイトの必要性

下記3点の理由から、ECサイトの多言語対応は必要です。
- 新規顧客の獲得
- 他社との差別化を図るため
- 低コストで商品を販売
世界各国のユーザーをターゲットとするECサイト「越境EC」の市場は、スマートフォンやインターネットの普及により年々拡大しており、今後もさらなる需要が見込まれます。
詳しくは、越境ECについての翻訳方法と注意点についての記事をご参照ください。
新規顧客の獲得
国内で今以上に新規顧客獲得が難しい場合は、ECサイトを多言語対応させることで、海外の新規顧客の獲得を見込めます。
高品質な日本製商品を求める声は高く、今後もニーズがなくなることはないでしょう。
競合他社との差別化
多言語対応を行っているECサイトは徐々に増えていますが、日本語表示のみのECサイトはまだまだ多いです。
自社がECサイトを多言語化してユーザーの幅を広げることで、競合他社との差別化を図れるでしょう。
低コストで商品を販売
商品を売りたい国で店舗を構えたりスタッフを雇うには、費用がかかります。
しかし、多言語対応のECサイトなら店舗の賃貸料や人件費が不要なため、低コストでの商品販売が可能です。
ECサイトを多言語対応する方法

ECサイトを多言語対応する方法は以下の2つです。
- 自社サイトを多言語化する
- 越境ECモールを利用する
自社ECサイトを多言語対応させる
自社のECサイトを海外ユーザー向けに多言語対応する方法です。多言語対応させる4つの方法を紹介します。
- 機械翻訳
- クラウドソーシング
- 翻訳会社
- 越境EC運用代行業者
機械翻訳
機械翻訳ツールを使用すれば、費用と手間を削減できます。
しかし、サイト全体を機械翻訳することはおすすめできません。
機械翻訳(自動生成)したコンテンツは、Googleにスパム行為であると判断され、ペナルティを課される可能性があるためです。
ただし、機械翻訳した後に文章が不自然になっていないか人間の手で内容を確認・修正して公開する場合はペナルティを課せられません。
機械翻訳を取り入れる際は、部分的な使用のみとするか、サイト全体を機械翻訳した後に必ず人間の手で内容を確認・修正しましょう。
クラウドソーシング
クラウドソーシングを利用すれば、比較的低コストで翻訳できます。
納期や料金、依頼内容を設定した上で、クラウドソーシングサイトに登録した翻訳者に依頼を行います。
ただし、翻訳者によって翻訳の質が異なることには注意が必要です。必ず、過去の翻訳実績を確認しましょう。
翻訳会社
翻訳会社への依頼は、今回紹介している4つの方法の中で最も翻訳の精度が高いためおすすめです。
翻訳会社によっては、ターゲットとする国に適した翻訳やSEO対策を行ってくれる場合もあります。
翻訳の費用を抑えるためには、重要なページ(会社紹介、商品紹介、支払い関連)のみの翻訳を依頼しましょう。
越境EC運営代行業者
越境EC運用代行業者は、越境ECモールへの代行出店などECサイトを運営する上で必要な業務を行ってくれます。
業者によって、どこの国に力を入れているのか、開店後のサポートの有無など変わるため、予算や進出する国を踏まえた業者選びが必要です。
自社でECサイトを多言語対応させる方法もあります。
多言語サイトの具体的な作り方やSEO対策について説明している記事をご参考ください。
越境ECモールを利用
越境ECモールを利用すれば、自社サイトを多言語対応させる手間が省けます。
ECモールによって、強みとなる商品が異なるため、販売対象国や商品・サービスに合わせて、適切なモール選びが必要です。
登録した商品を機械翻訳してくれる海外対応の国内ECモールもあります。
▼世界の有名な越境ECモール
- Amazon.com(アメリカ合衆国)
- eBay(アメリカ合衆国)
- G-Market(韓国)
- Shopify(カナダ)
- Otto(ドイツ)
- Tmall(中国)
- Vip.com(中郷)
- Shopee(東南アジア)
▼日本で有名な越境ECモール
- Amazon
- 楽天
- ヤフオク
ECサイトを多言語対応するときの注意点

越境ECモールを使用せずに、自社のECサイトを多言語対応する場合は、以下の5点に注意が必要です。
- 市場調査
- ブランドイメージに合わせた翻訳
- 必要な情報のみを多言語化
- 問い合わせ先・問い合わせ方法を明確化
- 言語切り替え方法
市場調査
何も考えずに自社商品を販売しても、海外ユーザーからの購入には繋がりません。
商品の魅力を伝えて購入につなげるには、どの国でどのような商品が必要とされているか調査・分析するほか、対象とする国の文化や言い回しに合った翻訳が必要です。
ブランドイメージに合わせた翻訳
日本語を単純に翻訳するのではなく、自社ブランドのイメージに合わせた翻訳を行いましょう。
機械翻訳のような単純な翻訳では、海外ユーザーがサイトを見たときに誤ったイメージを持つ可能性があります。ブランドイメージを壊さないためにも、翻訳する際は言い回しや表現方法に注意しましょう。
必要な情報のみを多言語化
サイトを全て多言語対応させる必要はありません。
日本人を対象とした情報やローカルな情報は、ユーザーを混乱させる可能性があります。伝えたい情報や必要な情報のみを多言語化しましょう。
特に、商品やサービスの説明や、支払い方法、発送方法などは正確な多言語化が必要です。
問い合わせ先・問い合わせ方法を明確化
海外ユーザーは、自国で手に入らない商品だからこそ、日本の商品やサービスの情報を求めています。
しかし、文章や画像の説明には限界があり、個別に質問したい内容もあるはずです。
そのため、必ず問い合わせ方法や連絡先を記載しましょう。問い合わせ先の分かりやすさは、購買促進に繋がります。
言語切り替え方法を分かりやすくする
言語の切り替え表示は見つけやすく分かりやすい場所に設置する必要があります。
ECサイトを多言語対応したにも関わらず、ユーザーが言語切り替えのボタンに気付かなければ意味がありません。
ユーザーの滞在エリアによって、自動的に言語が切り替える方法があります。しかし、滞在エリアとユーザーの言語が一致しない場合もあるため、自動切り替えにしたとしても、言語切り替えのボタンは設置するようにしましょう。
まとめ
日々IT化が進み、今後も更なるグローバル化が考えられるECサイト。
多言語対応は、一見難しそうに感じられるかもしれませんが、方法によっては低コストで簡単に行えます。
将来的に日本の市場拡大が見込めない以上、海外進出は必須となるでしょう。
そのための第一歩としてECサイトの多言語対応を行ってはいかがでしょうか。
ECサイトを翻訳するなら、多⾔語翻訳と制作で20年以上の実績があるアイ・ディー・エー株式会社がおすすめです。
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また、翻訳からウェブサイト/印刷物の制作までを⾃社内で⾏うワンストップ体制なため、短納期と低コストを実現しています。
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翻訳監修
セス ジャレット:Seth Jarrett
カナダ出身。翻訳会社のアイ・ディー・エー株式会社に13年以上在籍。翻訳者のクオリティーチェックから英語のリライトまで幅広く対応。自らパンやスイーツをつくる料理人でもある。